「深海」を聴いた時の忘れ得ぬ衝撃、「これがミスチル?」

時は1996年にさかのぼる・・・。

当時20歳の大学生だった自分は、退屈で何となく過ごす日々に嫌気がさしていた。

そんなある日の出来事。家に遊びに来た友人が、鞄の中からミスチルの「深海」を机に置いて一言

「自分の思っているミスチルと違った」

と、ぼそりと呟き、そのままCDを置いて去って行った。

CDジャケットの椅子は深い海の中に沈んでいた

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初めての一人暮らしの寂しさからか、何となく物寂しげなそのジャケットに心惹かれた。

「深海というタイトルは今までのミスチルのイメージとは少し違う、どんなアルバムなんだ?」CDをセットする。

そこから流れてきた音楽は、今までにあまり聴いた事がないものだった。

いきなりの「Dive」で深い海の底へ引き込まれ、続く「シーラカンス」の唸るようなバンドサウンド。

「ありふれたLove Story」や「虜」の乱暴な歌詞の言い回し。

「 So Let's Get Truth」「マシンガンをぶっ放せ」の世の中を憂うような社会風刺。

悲壮感漂う「ゆりかごのある丘から」

アルバムの締めくくりにふさわしい「深海」

「これがミスチル???」

衝撃が走った


アルバム一枚がまるで一つの物語のように語りかけ、心揺さぶられた。

それまでのミスチルのイメージであった【爽やかさ】が一瞬にして覆る。

恋愛においても、相手のギャップに魅力を感じ惹かれると言うが、とにかくそのギャップが大きすぎた。

その日はあまりの興奮と、今まで曲を聴いてこなかった後悔と、今後の楽しみと色々な感情が混ざり合い眠れなかった。

あの日「深海」と出会えたことは、自分の人生を大きく変える、まさに幸運な出会いとなる。

あの時CDを置いて帰った友人には感謝したい。

ちなみにその友人は、「名もなき詩」や「花」のようなシングル向きの曲が揃ったアルバムを期待していたらしい。

「ミスチルファンである為の踏み絵」

とまで言われたこのアルバムは、自分にとっては踏み絵どころか幸運な宝物のように思えた。



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