ミスチル隠れた名曲「one two three」の歌詞解釈とライブで演奏しない理由の考察

「one two three」と聞いてミスチルファンのあなたは一体何をイメージするでしょうか?

多くの方は「ライブでなぜか演奏しない曲」

という事が頭に思い浮かぶかもしれません。※「one two three」は2016年の対バンツアーで初披露

他にも、「猪木が出てくる曲」「なぜか聴くと元気が出る曲」「彼女に振られる曲」などと様々なイメージをこの曲に対して持っていると思います。

「実はこの曲、結構好きなんだけどなぁ」

と声を大にして言いたいが、一般にはあまり知れ渡っていない為言えない、隠れファンも多いと思われるこの曲。

ライブでなぜ演奏されないのかは最後で述べるとして、ミスチルの歴史の中でも

他の名曲の陰に隠れ、埋もれてしまった日の目を見ない実にかわいそうな名曲。

今回はこの曲に関しての歌詞考察、桜井さんのこの曲に対する思いを中心に述べたいと思います。



one two threeはこんな曲

この曲は記念すべき10th album『IT’S A WONDERFUL WORLD』の4曲目に収録されています。

tfcc86106.jpg

白いアルバムジャケットに花でできた音符が印象的なこのアルバム。

ジャケットにイメージされるようなポップで聴きやすい曲が並ぶ、ミスチルファンにも一般のリスナーにも人気のアルバムです。

自分がのアルバムの中で一番好きな曲,それが「one two three」。

そして、ミスチル全ての曲の中でもBEST5に入る位好きな曲です。

なぜ好きか?その理由は

「ほのぼのとしたアップテンポで、気軽に、構えず聴く事ができる」

という事です。

詳しく説明すると、ミスチルの曲は強いメッセージ性を含んでいたり、歌詞の裏に深い意味があったり聴いていて色々考えさせられたりする事が多いです。

それはミスチルの最大の魅力の一つであり、ファンもそういう歌詞を望んでいます。

しかし、この「one two three」はある意味、その方向性と真逆をいきます。

何か、ボーっと何も考えず聴く事ができるのです。曲調もそうですが、歌詞も前向きで聴きやすいです。



歌詞解釈


ワンツースリー歌詞①
ワンツースリー歌詞②


大きく分けると、図の色分けしている部分。「回想」から始まり、感情の変化(強気・弱気)を交互に展開されています。

途中で2か所情景描写が入る所がポイントです。

情景描写がないと、ただ自分の感情をはき出すだけの詩になってしまい、曲が一辺倒になってしまいます。

それでは聴いているリスナーも飽きますよね。

この2か所の情景描写で曲のイメージ、解釈がぐっと広がります。

それでは歌詞の解釈です。

まずは導入部分から

「戦闘服よりはブレザーがよく似合う」
浴びせられた最終の嫌みが胸をえぐる
君の目からすれば いかにもステレオタイプの半端者だっただろう

いきなりの『嫌み』から入るこの曲、ビビりますね(;^_^

こういうインパクトのある出だしの曲って他ではあまり聴いた事がありません。

この3行で2人の関係性が恋人同士だという事が分かりますが、

みなさんはこの3行だけを見てどう思ったでしょう?

自分は「ちょっと気が強い女性かなぁ」とイメージしました。

そして、この二人がつき合う上で、若干彼女の方が立場が上だったような気がします。

しかし「戦闘服よりはブレザーがよく似合う」とはどういう意味なのか?

自分が思うに、戦闘服とは「闘う男」つまり今でいう「肉食系男子」でガツガツした男のイメージで
「ブレザー」とは今でいう「草食系男子」のような感覚でとらえています。

彼女が持つ理想の男子と曲の主人公がかけ離れていたんでしょうね。

しかしいきなりこんな嫌みを言われたら、自分だったら多分、混乱しますよ(;^_^

まず言葉の意味が理解できないでしょうね。

は?( ゚д゚)ポカーン  みたいな・・・

この彼女はとても知的な方だと思われます。

また歌詞の中に出てくる「ステレオタイプ」という言葉の意味ですが

元々印刷用語で、「型にはまった」とか「固定観念」を意味します。


しかしこの3行、曲を聴きながらだと、歌詞をスーッと流してしまいがちですが、、こうやって詩をじっくりと読むと2人の関係性とか人柄を想像する事ができてなんとなく楽しいですね(^-^)

高らかな望みは のっけから持ってない
でも だからといって将来を諦める気もない
ぬるま湯の冥利と分別を知った者特有の
もろく 鈍く 持て余す ほろ苦い悲しみ

自分自身を2行で表せと言われたら出てきそうな言葉です(-∀-)

この曲の主人公は「雨のち晴れ」や「跳べ」の主人公にもイメージがかぶります。

ようは平凡な男です。幼少の頃からずっとそうなので、もう自分でも分かっているのです。

だから半分は自分の事を諦めている、でも諦めつつ半分は未来に対して期待もしているという・・・。

ここは桜井さんマジック。この主人公がエリートで、外見も良く、性格もいいスーパーマンだったら誰も共感できないでしょう。

嫉妬から逆に「振られてしまえ」と思うかもしれません。

普通の男だからいいんです。共感しやすいし、曲に入り込める。

自分と似てるなぁ、同じだ・・・って思えますもんね。

客寄せ用の無数の風船が
気圧に逆らって散っていった
破裂寸前の自分の心境を それとダブらせてみたりして

balloons-1835902_640.jpg  

ここで初めて情景の描写が出てきます。

「風船」というのが実はキーワードで物凄くカラフルなイメージがあり、そこから連想される広い「青空」

これが、曲初めの「嫌み」と主人公の「マイナス思考」をどこか遠くへ吹き飛ばしてくれる感じがします。

しかしこの3行の表現はこの曲の中でも大好きな部分の一つです。

僕ならいつも冗談めかしてたりするけれど
ずっと ずっと 考えているんだ
その場しのぎで振り回す両手もやがて上昇気流を生むんだ
別の未来へと向くベクトル 寂しくたって
一歩 一歩 踏み出してかなくちゃ
胸の奥で繰り返す秒読み
今 前人未到の未来へ 1. 2. 3 !

いよいよサビです。

ここで主人公の心の中の思いが一気にはき出されます。

特に好きなき歌詞は「普段は冗談めかしているが、実は頭の中ではいつも考えている」というフレーズです。

主人公は多分、彼女の前ではいつもおちゃらけていて、自分の中でのまじめな部分を出す事ができなかったのでは?だから後悔していると自分では勝手に解釈しています。

また、「上昇気流」という言葉が先ほどの「風船」という言葉と連動して響くのもポイントです。


続いて2番に入ります。
要人を乗っけた黒光りの車
間近で鳴らすクラクションに老人はたじろぐ
いろんな人いるなぁ 僕は君のことを思い出してた 横断歩道

ここで再度情景描写です。

要人(偉い人)と老人(一般人で弱い立場と思われる)が対比される形で登場。

しかも桜井さんの得意技、韻を踏んでいます。

老人に対して鳴らした【クラクション】は、彼女から受けた【嫌み】とダブって聴こえますね。

クラクションって鳴らされたら誰だって嫌だと思います。それと女性の男性に対する「口撃」。

それがふと重なって思い出してしまったのでしょう。自分たちの日常の中でもありそうな事です。

ちなみに・・・最初にCDを聴いた時は「要人」を「老人」と間違えて聴きとり、両方「老人」になってしまい意味が分からず混乱したのを思い出します(;^_^

目の前のリングが有刺鉄線でも
そこに立つチャンスをそっと狙ってるんだよ
逆転勝ちをしてる光景を目に浮かべ ニヤリ
いつか君に見せよう 戦闘服のカウントスリー


有刺鉄線
                                                                                
ここで主人公の強い、意思表示が出てきます。

この4行を一言でいうと「幸せになって恋人を見返す」ってやつですね。

女性であれば「綺麗になって」見返す。

この主人公が敢えて自分を追い込み、そこからワンランク成長した自分を見せる(仕事で成功する)というイメージを思い浮かべました。

薄暗がりで僕が見ていた一筋の光りに手をやって
世にも奇妙な力手に入れる
なんてある訳が無いけれど

ここの3行では一番のサビの「いつも冗談めかしている」主人公の一面が垣間見れます。

ラストのサビに向けて、いよいよ主人公の本領発揮か?と思わせるフレーズ。

いよいよラスサビ
ビデオに撮った「ショーシャンクの空に」見てからは
もっと もっと 確信に近いな
暗闇で振り回す両手もやがて上昇気流を生むんだ
大人になりきれなくて逆恨みしたけれど
うんと うんと 感謝しているんだ
愛しき人よ 君に幸あるように
もう 後ろなんか見ないぜ 1. 2. 3 !



114076_01.jpg


ここで『ショーシャンクの空に』が出てきました。

映画ファンにはもちろんそうでない方でも知っている方が多いと思われる名作。

主人公の気持ちを、映画の主題である

『冤罪によって投獄された主人公が、刑務所の中でも希望を捨てず生き抜いていき、最後に光が射す』

に集約していると思われます。


最後は「希望」と「彼女に対しての感謝」で前向きな終わり方をします。

未練があったり、ドロドロしたりでは後味が悪いからですね。

そしてラストに猪木さんの登場です。

inoki.png 
                                                                             
この道を行けばどうなるものか
危ぶむなかれ
危ぶめば道はなし
踏み出せばその一足が道となり
その一足が道となる
迷わずゆけよ
行けばわかるさ
いくぞー
1,2,3ダー!


やっぱりこのインパクトは強烈ですね(;^_^

以上歌詞解釈でした。

桜井さんのこの曲に対する評価・ライブでなぜ演奏しないかの考察


以下桜井さんのこの曲に対して以下のように語っています                      


one two threeは、なーんにも考えずに書いた曲なんです。

メロディーに任せて言葉を並べているだけなので何も言っていない。

実は今回のアルバムの曲は、ぶっちゃけた話きちんと頭で考えた曲と、なーんにも考えないで書いた曲とに大きく分かれている。

この曲は、あまりにも説得力がない。

だから、猪木さんに最後ビシッと締めてもらいました。

最初、この詩を知らなかったんです。

ある日歩いていたら、お店にあの詩が全部書いてあるTシャツを見つけて、”あぁ、いい詩だな、あれ、これ。猪木だ”って。

それから見方が変わりました。

もしプロモを作るなら、猪木さんに出てほしいなと思っていました。


つまり、桜井さん自身、この曲の歌詞に関しては、あまり思い入れがないというように見受けられます。

だからライヴであまり演奏しないのかもしれません。

jenが以前「この曲、聴きたい人が多いだろうなぁ」と言っていた事があるので、ミスチル側はこの曲が人気がある事はある程度理解していると思われます。

ただ、それに媚びて演奏しないというのもまたミスチルの選曲に対するこだわりを感じますね。

最後に

桜井さんは中途半端なちょっと情けない感じの男を書かせたら天下逸品ですね。

でも、もがきながらも、そこから抜け出そうとする姿には共感が持てます。

「one two three」はそういった男を主人公とした曲の中では大好きな曲なのですが、作者である桜井さんの評価が低い所が非常に残念です。

しかし、これだけ計算つくされたような歌詞を書いておきながら「何も考えずに書いた」と言い切る所が桜井さんの凄さだと思います。

自分の中では、ライブでやらない事で逆にこの曲の価値がどんどん高まっていったような気がします。

ライヴで聴きたい気持ちもありますが、もういっそのこと最後までライブで聴かない手もありかなと思えるようにもなってきました。


※「UFO」の歌詞解釈に続く・・・現在作成中です 時期が来次第アップします



関連記事
ブログパーツ